メンヘラJKどてにくのお話し

土手肉と腋で生きて行く

手と手

少し昔話をしようと思う。


その人に初めてあったのは、2.3年前のクリスマスだった。

俺のお気に入りのフォロワーさんのBさんと遊ぶ約束をして、2人より多い方が楽しいし、せっかく東京に来るんだから。とBさんは俺と共通のフォロワーを探して誘ってくれた。


その中にいたのが、あの人だった。ここではKと呼ぶことにする。

Kとはツイッターで少し話すくらいの仲で、いい人だなくらいにしか思っていなかった。


はじめての二丁目ということもあり、少し疲れつつも自分のために集まってくれたんだし自分が楽しませなければという思いもあり、わざと酔ったふりをしてはしゃいだ。


それにも少し疲れてしまい、トイレに席を立った。

トイレを終えると、Kがいた。


「無理しなくていいよ、酔ってないでしょ?大丈夫?」


その一言で、涙がこぼれた。思いも口からこぼれた。


自分がホモの世界に対して慣れていないこと、憎いと思っていること、辛いこと。全部を打ち明けた。

Kはそっと、頭を撫でてくれた。


その日はKの家に泊まらせてもらった。Kは実家なので、

「静かに入ってね!」と少し微笑んで言った。その顔を何故だか寂しそうだと思ったのを覚えている。


「布団一つしかないから添い寝でごめんね」と言われ、添い寝をした。自然と手と手が触れる。何故だか涙止まらなかった。

Kの方を見ると、Kも少し涙を流していた。


「昔の俺みたいだ」


その一言が未だに耳から離れない。

あの時に触れた、手と手の感触や暖かさも忘れられない。


その日は2人で抱き合って、お互いを慰めるようにして東京の片隅で寂しさを紛らわすように、眠った。


東京は寂しさで出来ている。

またこの寂しさに溺れに来ようと、そう思った。